今朝、珍しくシャワーを浴びて使い古しのタオルを頭にかぶせたら、
その匂いと感触から、ふいに小学生時代のプールの光景が脳裏に浮かんだ。
入り口にはメタセコイアの木が1本そびえた立ち、壁には頑固なツタ。
床に散らばった葉や木の実を踏んづけながら、
シャワー台に進み、最後に階段を登ってプールにたどり着く。
好きな遊びは、
みんなで輪になって作る流れるプールと、水中宝探し。
ある時、プール掃除を任されて、
みんなで「ヘドロきたない〜」と文句を言いつつ
いつの間にか泥んこになってゲラゲラ笑い、
男子が捕まえたヤゴを虫かご越しに眺めた。
プールの脇には、飼育小屋があって、ウサギとニワトリがいたけれど、
当時はおんどりが毎朝けたたましく鳴くばかりで、あまり可愛いと思えなかった。
プールの正面にはピンクと白で彩られた古い校舎があり、
ある時、手前の水場が舗装されて、
まっさらなコンクリートに猫の肉球が一つ残った。
通りかかるたびに気になって、
しゃがんで眺めては、そっと指でなぞったりしていた。
…もう雑巾にでも作り直そうと思ったタオル1枚で
こんなに思い出すとは。