車のタイヤ

冬物の裾だしに向かうバス停で、

ふと信号待ちの軽トラが目に入る。


ベンチに座っていたこともあり、

ちょうど目線の高さに綺麗に横向きで収まっていた。

暇なので、隅々まで眺める。

「へぇ、タイヤの軸の部分ってこんな風になってるのか」

それは、ちょうど風車のような形をしていた。


信号が青になり、車が一斉に走り出す。

次々と目の前を横切る車に、一つとして同じ形のタイヤはない。

どれもこれも個性的な形をしている。

そこへようやくやって来たバスは、前輪と後輪で形が違っていた。

こんな世界があったなんて。


乗車後も、私はまるで子どものように食い入るように外の車を眺めた。

これがなかなか面白い。

先ほどはタイヤを追うだけで精一杯だったが、

よくよく全体を観察すると、

「この車にはこのタイヤでなくっちゃね」というようなデザインに収まっている。


ほんの少し、乗り物に夢中になる男の子の気持ちが分かったような気がした。

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