湯船にて

冬の間、日替わりで楽しんでいた温泉の素。残りわずかとなり、あとはちびちび楽しもうと、久しぶりに入浴剤を使わず湯船に入ったら、何だかお湯の色がやけに新鮮に思えた。何も入れていないのに、思いのほか水色なのである。そこに肌の色が対比する。


しゅわしゅわしゅわ〜と音がすることに気がついて辺りに目をやると、皮膚についた水泡が指で押し出されて水面にのぼって行く音だった。


(厳密にはよく見えなかったが、子どもの頃、よく観察していたのでその光景が目に浮かぶ)


泡のはじける音は心地よく、しばらくその音に聞き入った。

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