簡単で難しいこと

ふとしたきっかけで、これまで見えなかったものが、急に視界や意識に飛び込んできて、つぎつぎ面白いアイデアが浮かんだり、発見が重なることがある。


もの作りをする人間とって、それはまさにゴールデンタイム。


「頭にアンテナが張り巡らされている状態」とは、ずばりこういう状態を言い表しているのではないかと考えるが、日々雑務に追われる中で、いつの間にかそういう機会は極端に少なくなり、あたかもなくなってしまったようにさえ思えた。


さらに困ったことに、それが日常となった今では、「実は、さほどもの作りには執着のない人間なのではないか」とか、全く検討違いのことを考え始めていたので、まるで児童文学『モモ』で時間どろぼうに時間を盗まれた大人たちのように、知らず知らずのうちに習慣や環境にむしばまれていることにゾッとした。


たとえ「しょうがない」と割り切って生きていくのが社会で求められるスキルだったとしても、その結果、自分の体力やら心が消耗するようであれば、一度立ち止まって考えなければならない。脇目もふらず走り続けるなんてそもそも不可能である。本当に根本から問題解決しようと願うなら、まずは歩調を緩めあたりを見渡すことから始めなければならない。そう信じてる。

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